EVENT REPORT

Wikiからニコニコ学会β、そして身体性へ――World IA Day 2015 Japan vol.2 江渡浩一郎氏

【スピーカー】江渡 浩一郎

EVENT REPORT

Wikiからニコニコ学会β、そして身体性へ――World IA Day 2015 Japan vol.2 江渡浩一郎氏

【スピーカー】江渡 浩一郎

2015年2月21日(土)にWorld IA Day 2015 東京がamuで開催されました。グローバルテーマは「Architecting Happiness」。東京では「身体性」というキーワードでトークやパネルディスカッションが展開されました。レポート第2弾はメディアアーティストであり、『ニコニコ学会β』を発足した江渡浩一郎氏の発表をご紹介します。

OVERVIEW

2015.02.21(土)

スピーカー:
江渡 浩一郎 (独立行政法人産業技術総合研究所主任研究員/ニコニコ学会β実行委員長/メディアアーティスト)

INDEX

  1. 《共創プラットフォーム》へ
  2. パターンランゲージ、あるいは共創の歴史
  3. パターンランゲージの意義
  4. オレゴン大学の実験
  5. ニコニコ学会βのパターンランゲージ的メッセージ
  6. 細かな工夫の集積としてのイノベーション
  7. ニコニコ学会βの特徴
  8. ジョブズに見る美が与えた影響
  9. IT産業がアートに学ぶべきこと

《共創プラットフォーム》へ

江渡 :産業技術総合研究所(以下、産総研)の江渡浩一郎と申します。本日は「Wikiからニコニコ学会β、そして身体性へ」と題して発表させていただきます。

eto1

私がいままでなにをしてきたかを紹介させていただきます。もともと、1991年に慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパスに入りまして、メディアアーティストになる訓練をしてきて、卒業後はメディアアーティストとして活動してきました。その後、2002年に産総研に転職しまして、研究者として活動し、いまに至るという経歴です。最初に、どんな作品をつくってきたのかをお見せしたいと思います。これは1996年につくった作品です。Webとしては初期の時代でしたが、当時「センソリウム」というプロジェクトをやっていまして、その中でつくった作品の一つ「WebHopper」です。

webhopper

Webをブラウズしてさまざまなサイトが流行りはじめた時代ですが、Webのアクセスする先を緯度・経度の情報に変換して世界地図上で可視化する、という作品をつくって公開したところ、アルス・エレクトロニカ賞*1のグランプリを受賞しました。そしてアルス・エレクトロニカセンターの常設展示物として設置することになったという経緯があります。その後、2001年にインターネット物理モデルというものをつくったのですが、ご覧になった方はいらっしゃいますか? 日本科学未来館でいまも常設展示物として展示されていますので、よろしければぜひ見てみてください。これはインターネットのしくみ、パケット通信というしくみで通信されているわけです。その一番基本的な原理がどうなっているのかを、目に見えるものとして再現しました。

internetmodelインターネット物理モデル(2001) 日本未来科学館

江渡 :いま16個の白と黒の玉がありますが、先頭の8個の玉がアドレスを表していて、後半の8個の玉がデータを表しています。送ることができるのは一文字だけですが、その一文字がこのルーターからルーターへとルーティングされていく。いま、その目的地に到達した瞬間ですが、このホストのディスプレイに向かってパケットが送られていく。というように、どのようにパケットが送られてきてどんなふうにルーティングされて目的地に伝わるのか、というしくみを物理的に伝える作品です。

さて、その後、2002年に産総研に移ってからは《共創プラットフォーム》の研究を続けてきました。もともとぼくは《共創プラットフォーム》というのを「集合知」と説明してきました。「ひとつのものをいろいろな人が同時につくる」というのを《共創》と言いますが、それを促すしくみをずっと研究してきました。たとえば、いまお見せしているのがModulobeというソフトウェアの画面ですが、このアプリケーションを使うと、マッチ棒のようなものを組み合わせて生き物を簡単につくることができます。それをWebに投稿していろんな人が見ることができ、さらにそれをダウンロードして、ほかの人のモデルと組み合わせ、新しいモデルをつくったり、そこから影響を受けて新しいモデルをつくったりすることが簡単にできるソフトです。

(動画再生)Moudulobe

http://www.nicovideo.jp/watch/1345652378

これをつくったのは2005年ですが、このときYouTubeなどはすでにありましたが、まだニコニコ動画とかは出ていません。そういうときに、あるモデルをつくって投稿したものに対して、それに影響を受けてまた新しいモデルが生み出されていく。そういう創造性の連鎖が促されるような関係は、どのようにしてつくられるんだろうか、またはそれがどのようなしくみで支援できるのだろうか、ということに興味を持っています。まず、その創造性の連鎖を可視化しようと考え、モデルから影響を受けてコピー&ペーストなどの形でモデルを引き継いでつくられた場合、それが親子関係で表示されるしくみをつくりました。

model1

あるモデルは58回採用され、またこの再利用の軌跡が描かれる、というようなネットワークの可視化をやってきました。

それ以外に、山口県の山口情報芸術センター(YCAM)との共同研究で、山口県の小・中学校と連携してワークショップを開催したりもしました。小・中学生がつくったモデルをYCAMで展示する、それをみんなに見に来てもらうということを行いました。展示するための台なども自分たちでつくったりしました。

さて、その後にWikiなどに興味を持ちました。《共創プラットフォーム》のある意味典型例がWikipediaであったりWikiだと思うんですね。それがどのような原理ででき上がっているんだろうか、ということの研究成果を『パターン、WikiXP(技術評論社)という本にまとめました。この話がインフォメーション・アーキテクチャとすごく関連性があると思うので、今日はちょっと踏み込んで概略を説明しようと思います。

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*1 アルス・エレクトロニカ賞 http://www.aec.at/about/jp/ オーストリアのリンツで年に1度行われるメディアアートの祭典。1979年に「インターナショナル・ブルックナー・フェスティバル」の一環としてはじまり、1986年には独立したイベントとして開催されるようになった。現在では7つの部門が存在する。江渡氏は1997年にグランプリ、1998年、2013年にHonorary Mention賞受賞。

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パターンランゲージ、あるいは共創の歴史

クリストファー・アレグザンダー*2を知っている人? 有名人ですね。大抵の場所ではアレグザンダー知っていますかと聞いても手が挙がらないんですけどね。こういう場ではすごく知られてると思いますが、アレグザンダーはパターンランゲージを提唱した人です。この人のパターンランゲージという理論が建築の世界では一時期すごい影響を与えていました。その典型例がこのオレゴン大学*3だと思います。オレゴン大学は、1971年にこのパターンランゲージに基づいた大規模な改修を行いました。2万人くらいのコミュニティに対して、利用者が主体となって「どのようなキャンパスにしたいのか」というパターンランゲージをつくり、このオレゴン大学の改修を進めていったという経緯があります。

しかし、非常にポジティブに受け止められた時期もありましたが、さまざまな人がパターンランゲージに取り組み、うまくいかなかったりなどいろいろな経緯があって挫折し、一時期建築業界ではパターンランゲージは忘れられた手法となっていた。それが変わったのは、ケント・ベック*4とウォード・カニンガム*5によるパターンランゲージのプログラミングへの応用です。この2人のコンピュータ科学者が状況を変えました。簡単に言うと、パターンランゲージというものをプログラミングの世界で応用することが可能なのではないか、ということでそれを実際に試してみるということを行い、1987年に「オブジェクト指向におけるパターンランゲージの利用」(Using Pattern Languages for Object-Oriented Programsという論文を、実際に試した結果として発表しています。1つは、1994年に出版された「ケント・ベックのSmalltalk ベストプラクティス・パターン — シンプル・デザインへの宝石集」(Smalltalk Best Practice Patterns. Prentice Hall)の中で「デザインパターン」という言葉として形になります。オブジェクト指向において、そのデザインパターンという形でプログラミングにおいてよいとされる書き方を再利用していこう、という流れに実を結びます。もう1つは、いま「アジャイルソフトウェア開発」*6と呼ばれているソフトウェア開発手法がありますが、その源流となっているのがこの「エクストリーム・プログラミング」*7です。実を言うと、この手法もケント・ベックがパターンランゲージをプログラミングの開発手法に応用しようとした結果生まれた開発手法なんですね。

browser1パターンブラウザの画面

これがWikiの源流となるソフトウェアで、「パターンブラウザ」と呼ばれています。パターンランゲージを、「HyperCard」というMac用のソフトウェアを使って記録していくということを行って、それにパターンブラウザという名前がついていて、どんどん自分が発見したパターンを記録するといったことを行っていました。このときの経験を元にして、Webが出た後にWebを使ってつくり直したのがこのWiki Wiki Webというものです。1995年にウォード・カニンガムが公開し、これによってだれでも書き換えられるWebサイトという概念をつくり、ここでいろんなページがつくられることがありました。この1995年にWikiという概念ができた後に、2001年にジミー・ウェールズ*8とラリー・サンガー*9が「だれでも書き換えられる百科事典」としてWikipediaという概念を考えついて、実際にやってみようということで立ち上げた。これが一番最初のときの画面です。

wikiwiki1

左:Wiki Wiki web 右:Wikipedia

これらを見てわかると思いますけども、見た目がすごく似てますよね。Wiki Wiki Webの画面は、いまもこんな感じです。これが似てるのは、偶然ではなくてある意味必然で、2001年の最初のころは、もともとのWiki Wiki Webのソフトウェアを発展させたレベルのソフトウェアがあって、それをそのまま使ってこのWikipediaをつくっていたんですね。なので、ちょっとだけいじっていますけど、ほとんど見た目が同じであると。その後、これが2009年の段階ですから、ぼくが本を書いたときです。現状にだいぶ近いのですが、このようにして世界最大の百科事典と言われるように育っていった流れがあります。

当然、ジミー・ウェールズもラリー・サンガーも、もともとのWikiというコンセプトにすごくリスペクトがあり、それを百科事典にどう応用できるのか、ということを考えてこのWikipediaができているわけです。そしてカニンガムは、アレグザンダーの思想をいかにしてソフトウェア開発であったり、プログラミングやWebサイト開発に利用可能にしようと考えてできている、という流れがあります。その流れをぼくは本にしています。

 

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*2 クリストファー・アレグザンダー (Christopher Alexander 1936年- ) 都市計画家、建築家。『都市はツリーではない』(1965年)で自然都市と人工都市の違いについて述べ、話題を集める。その理論をさらに具体的な設計ツールとして発展させ、建築を利用する利用者自身が建築を設計できるようにする建築手法「パターン・ランゲージ」を提唱したことで知られる。

*3 オレゴン大学1971年のオレゴン大学の改修プロジェクトはアレグザンダーが携わり、マスタープランによる改修を否定する新しい建築設計の手法であるパターン・ランゲージを実践したはじめての具体的な例。後に『オレゴン大学の実験』(1975年)としてまとめられた。

*4 ケント・ベック (Kent Beck)コンピュータープログラマー。エクストリーム・プログラミングの考案者。

*5 ウォード・カニンガム (Ward Cunningham、1949年ー)コンピュータープログラマー。サーバー上のハイパーテキストで共同編集を行うツールおよび概念である「Wiki」の創案、開発者として知られる。

*6 アジャイルソフトウェア開発 状況の変化に対して柔軟に対応できるようなソフトウェア開発手法の総称。短いプロセスを反復し、徐々にソフトウェアの完成度を高めていくアプローチが多い。

*7 エクストリーム・プログラミング アジャイルソフトウェア開発方法論の一つ。初期の設計ではなく、コーディングやテストを重視し、つねにフィードバックを行い、修正・再設計するプロセスをとることが特徴。1999年にケント・ベックが発表した書籍「Extreme Programming Explained – Embrace Change」で注目を集め、アジャイルソフトウェア開発手法の先駆けとなった。

*8 ジミー・ウェールズ (Jimmy Wales、1966年ー)Wikipediaの前身である、専門家による管理が行われるインターネット百科事典Nupediaを創設。その後にだれもが編集できるWikiシステムを用いたWikipediaを設立した。2016年現在、ウィキメディア財団名誉理事長。

*9 ラリー・サンガー (Larry Sanger、1968年ー)アメリカの哲学者。多くのオンライン百科事典プロジェクトに携わる。Nupediaの編集、チーフオーガナイザーを務め、Wikipediaの共同設立者となる(ジミー・ウェールズは共同設立者として認めていない)。その後、専門家によるフリー百科事典プロジェクト、Citizendiumを立ち上げ、2007年からサービスを開始した。

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パターンランゲージの意義

ぼくはもともと、《共創プラットフォーム》ということを考えてこの研究テーマを選びました。そのときに、なぜパターンランゲージに行き着いたのかと考えると、それはつまり「共創」がどのようにして生み出されるのだろうということですよね。「共になにかを創る」と言葉にするのは簡単ですが、実際にそれをやろうとしてみるとむずかしい。そのむずかしい理由はなんなんだろう、といろいろな側面から考えてみる。

一番むずかしいのは、「認識を一致させること」なんじゃないかということです。ある事象に対して、ぼくはこう思っている、別の人はこう思っている、などいろいろな思いがあり、だけどその違いを認識することがむずかしく、かつ、その認識を一致させることも非常にむずかしい。認識が一致したことを認識するのも、またむずかしい。こうした非常にむずかしいパラドックスがあって、それを解決するためにいろんな人がいろんな方法で悩んでいて、その一つの糸口がパターンランゲージなのではないかな、と思ったんです。

eto2

パターンランゲージの素晴らしい点は、それがランゲージであるということです。それには意味が2つあって、パターンとパターンの間のつながりがランゲージである、言語のように、パターンとパターンがつながっていくということが1つあります。もう1つは文字通り、文字のつらなりによる言語として書いてあるという特徴でもあります。自然言語である、ということですね。イラストや図ではなく、文字のある言語であり、しかもプログラミング言語のような形式言語ではなく、人間が読んでわかるような、多義的な意味を備えた自然言語であるということです。

その言語によって、一番最初にこの建築物がどのような特徴を備えているべきか、どのようなものであるべきか、ということを徹底的に吟味し、それまで絶対に図などを描かないんですね。アレグザンダーの建築理論の中では多様な方法を駆使していまして、その土地の利用に対して、実際に現場に行って建物の配置を考えるということをします。さまざまな手法を組み合わせ、認識を一致させて、どんな建物をつくりたいのか、上手く一つの合意を形成し、それによって建築を進めていく。だからこそ、このパターンランゲージは優れているとされたんじゃないかなとぼくは思っています。

オレゴン大学の実験

最近オレゴン大学に行ったので、どんな感じだったのかちょっとご紹介します。

oregon

これがオレゴン大学の地図ですが、意外とすごく広いんですね。2万人規模というふうに言っていますが、確かにこれは2万人規模だなあって感じですよね。建物の数だけ見てもすごくたくさんある。川を挟んだ向こう側にもキャンパスがあるんですが、主にこちら側ですよね。上から見るだけでも建物の形がまちまちだなということがわかります。このあたりは実を言うと、『オレゴン大学の実験』(鹿島出版会)という有名なアレグザンダーの本にいろいろと書いてあります。

実は、1971年にオレゴン大学の一番最初の改修を行ったときの担当者がまだ建築学部に残っていまして、その方にインタビューするためにオレゴン大学に行ったんです。そのときに、一番最初に見せてもらったのがこの建物でした。これは確か、ある工学部の建物なんですけど、「見た通り、ひどい建物でしょ?」と言われて。実はこれが出発点なんですね。あるときにオレゴン大学の建物を改修するときにこんな建物ができたのです。確かに要件は備えているかもしれない。でも、これまでのオレゴン大学の建物とは似ても似つかないというか、全然見た目の質が違う建物ができてしまった。このままではオレゴン大学はどうなってしまうんだろう、ということで工学部の建物に対する反省で「全面的にオレゴン大学はどのようであるべきか」というところから含めて考え直そうと意識してパターンランゲージをつくり、その後も残され続けるような形にしよう、という意思があってパターンランゲージを採用するに至ったという経緯なんですね。

oregon2

いくつかお見せすると、これは教育学部のキャンパスで、ここはすでにアレグザンダーの指導の元、パターンランゲージを採用していて、非常に優雅な建物が連なっています。中庭とかも整備されすごく綺麗なんですね。これは比較的新しい建物で、アルコーブ*10みたいな感じでつくられていて、すごく美しい。ここでお話をうかがったりしました。左側の方が当時から建築学部でオレゴン大学側として担当されていた方です。そうはいっても(担当されていた方は)「新しい建物でルールやパターンランゲージに従っていないものもあるんだよね」ということを言っていて。これ真ん中がガラス張りでちょっとモダンな感じですよね。「こんな感じの新しい建物でパターンランゲージに従っていないものもできてしまったりしていて、なかなかむずかしいんですよね」と聞かされたりしました。

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*10 アルコーブ 部屋や廊下、ホールなどの壁面の一部をくぼませてつくった空間のこと。

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ニコニコ学会βのパターンランゲージ的メッセージ

江渡 :ニコニコ学会βはですね、ぼくが2011年にはじめた活動です。これまでは大学なり、研究所なりと産業が結びついて研究をするというモデルでしたが、これからはユーザーが直接参加し、ユーザーも加えた三者で研究を推進していこうという流れではじめた活動です。201112月にはじめて、1年に2回やってますので、これまでにすでに7回開催しています。7回の中でいろんな回がありましたけれども、やはりユーザー参加型研究なので、CGM*11であったり。ユーザーがつくるメディア、ユーザーがつくるコンテンツにフォーカスした回もありますし、まったくそれと関係なく、生物学であったり昆虫とかについてフォーカスした回もあります。初期はITやロボットといったことが焦点でしたが、そこからいろんな方向に発展していっています。年に2回のシンポジウムが一番のハイライトで、それ以外にもいろいろな活動をしています。

まずそのシンポジウムについて説明しますと、研究100連発というのが看板セッションとなっていまして、90分のセッションで5人の研究者が登壇し、120件ずつ研究を発表してもらう。そうすると5人だから100件なんですね。15分で20件だからものすごく一つひとつが短いのですが、その研究がどのように発展していったのか、その流れが見えてくると思うんです。その次に「野生の研究者」とぼくは呼んでいますが、さまざまな形で自分がつくりたいものをつくっている研究者に来てもらい、その人たちが13分、自分たちの研究について発表してもらう。たとえば「網戸を使って半透明のスクリーンをつくってみました」とか「体長4mで二足歩行できるロボットをつくってみました」とか、さまざまな研究成果を野生の研究者が発表してくれています。フォーカスとしては、研究成果とすこし違っていてもよくて、必ずしも特許を取れなくても、論文にならなくてもいい。でも、個人的な情熱がその成果に表れていて、科学に対する自分なりの取り組みが表れていることが非常に重要であると思っています。それ以外にももちろんいくつもありまして、ニコニコ学会β側であるテーマを設けて、そのテーマに沿って発表してくれる方をお呼びしてセッションを構成したりもしています。そのときも、最終的には「ユーザー参加型研究の世界をつくる」ということを目標にして、ユーザー参加型研究をつくるにあたって役に立ちそうな活動をしている方という観点で、発表してもらっています。

ニコニコ学会βの様子

シンポジウムを年2回やっていますが、視聴者数が10万人とか、ある意味非常に大規模な場なんです。その合間に「データ研究会」という形で数十人が集まってデータ研究について語る場をつくったり、みんなでつくったものを展示する場、それからさまざまな学会とかに呼ばれてセッションを構成したり、そういったこともしています。いろいろなテーマがあるので、そのときそのときにつながりができた研究者とともに行動します。たとえば、生物学の中でもキノコ狩りをしたときにキノコの興味深い特性について専門の研究者に教わる、みたいなこともしています。このテーマ設定というか、こういうことを伝えたいというのがあるとしたら、科学とか研究というのは専門家だけのものではないというテーマなんですね。ユーザーにも、と言いますが、それはいわゆるコンピューターユーザー、ニコニコ動画ユーザーということではなく、The rest of usですよね。つまり、大学とか研究所に所属している人、会社などで製品化を行っている人だけではなく、それ以外のだれもが研究というものに取り組むことができる。そのときに、やはり研究としての視点、科学としての視点があることはメッセージとして伝えたい。つまり、このニコニコ学会βを通じて、「科学を構成しているメソッドはこういうものである」ということを伝えたい。それは、専門家であるかどうかは関係ない、というのがメッセージとなっています。ということで、さまざまな方に来ていただいてこれまでのシンポジウムを続けてきました。

eto3

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*11 CGM Consumer Generated Media 消費者自身が内容を生み出し発信していくメディア。

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細かな工夫の集積としてのイノベーション

ニコニコ学会βを行ったとき考えていたことの一つとして、「イノベーションとはなんだろう」とずっと考えていたんですね。イノベーション、つまり研究所などでの研究が最終的になにを目標にしているんだろうと考えたときに、最近だと「イノベーション」という言葉がよく使われます。イノベーションを推進するために研究があり、一番最初のステップがいわゆる基礎研究かもしれないけれど、最終的にそれがイノベーションにつながるように研究者側も働きかけなければならない。じゃあ、そのイノベーションってなに? と言っても納得のいく答えが返ってきたことがなくて、自分なりに考えてみるしかないなというのが1つ。もう1つは「イノベーションをやってみよう」ということですね。イノベーションがなにかわからなくても、「たぶんこれがイノベーションだろう」と思ってイノベーションをすることができたら、その人はイノベーションがなにかわかっているということなんですよ。なので、ぼくは学会をイノベーションの対象にしてみようと思いました。

そのときに、たぶん(イノベーションとは)技術の使われ方の革新、正確に言えば細かな工夫の集積なんだろうと考えました。さまざまな細やかな工夫、または新しい技術の使い方ということで、ニコニコ動画やニコニコ生放送を使って学会を配信する。また、ニコファーレとかニコニコ超会議であるとかは、普段は学会として使われていなかった場所をあえて学会発表の場として使う。また、道具。たとえば、テーマ設定に関しても技術的な表現にフォーカスしないで、その使われ方の方にフォーカスして研究発表を集める。もちろん、これは従来の学会でもやっていますが、たとえば「音声合成についてのセッションを実施する」ではなく、「初音ミクに関係するセッションを実施する」だと全然聞こえ方が違いますよね。

同じように、さまざまな形で細かな工夫を積み重ねていくことで、それを聞いてみたくなるような場をつくる。そのようにして従来の枠組みからすこしずつ細かな工夫を積みあげ、最終的には大きなインパクトをつくる、といったことを実際にやってみようと思い、やってみた。そして3年経ったというのが現状です。

ニコニコ学会βの特徴

「ニコニコ学会βはなにが特徴なんだろう?」ということをよく聞かれますが、上手く答えられないことが多いんです。だけど一つ言えることがあるとしたら、すごくカッチリと、テレビの生放送っぽくつくっています。シンポジウムなどでも、いわゆる企業が主催したりするものだとちゃんとリハーサルをやったりしますが、たぶんそれよりももっとしっかりとしたリハーサルをやります。立ち位置やカメラや照明のタイミング、接続、内容などすべてリハーサルできちんと問題がないか確認し、極めて滑らかに進行するように工夫しています。結果としてなにが起こるかというと、すごくお金がかかります。だけど、これは実をいうとドワンゴさんにメインスポンサーについてもらっているからできることなんです。ドワンゴさんにこういったことをやりたいとお願いし、一緒にやっていきましょうというところが出発点であり、だからこそ、ニコニコ学会βの活動をこれまで続けてこれたという経緯があります。

もう一つは、非常に綿密に構成されていますが、中身に関する最終的な決定は科学者が行うんです。つまり、普段のシンポジウムと同じように「なにを発表するか、どんなふうに発表したいか」というのを科学者自身が考える。けれども、それをより魅力的に伝える工夫を周りの人が一生懸命サポートする、ということをやっています。

それ以外にも活動がありますが、できるだけ生放送だけでなく、いろいろなところに伝えたいと思っています。一つには書籍化してお伝えするということをしています。『月刊ニコニコ学会β』という電子書籍があるんですけども、これに最近力を入れてやっていて、電子書籍版なのでなかなか手に取ってみることができないのですが、AmazonやKindleで買えますのでぜひ見てみてください。どういう趣旨かというと、それぞれのシンポジウムはすごく長い。たとえば、動画を7時間ぐらい見ないと把握できないものなのですが、この300円の電子書籍を買って読むと、大雑把ではありますがこのセッションの内容がわかる。だから「じゃあ時間を取って(動画を)見てみよう」となるかもしれない。そういう期待を持って、書籍をつくったりしています。

このような活動が認められて、アルス・エレクトロニカ賞やグッドデザイン賞といった賞を受賞しています。ほかにもいろんな新聞や『週刊プレイボーイ』に載せていただいています。お金はどうなっているのかとよく質問されますが、まず基本的には法人スポンサーに協賛いただき、運営しています。また、クラウドファンディングで資金調達、ということも行っております。みなさまに非常に支えられて活動しております。

あと、ニコニコ学会βについてよくある質問を紹介します。

Q, ニコニコ学会のβってなに?

A, βっていうのはβバージョンのβですね。

Q, 会員数は?

A, 会員というのはありません。基本的にニコニコ動画のユーザーであればだれでも見れます。

Q, 野生の研究者は普段なにやってるの?

A, 普段は有名企業のエンジニアだったりすることもあります。場合によっては研究者ってこともあります。研究者なんだけど、普段は研究所で研究し、土日とかは自分のやりたい研究を自分の家でやっている、という人もいます。

ジョブズに見る美が与えた影響

江渡 :さて、ここまでニコニコ学会βの話をしてきました。今日は「身体性」というテーマでこの話をいただいたときに、「身体性って、おれそんなことやってたっけ?」とずっと思っていたので、身体性というものからすこし外れてしまうかもしれません。それでもぼくがこのテーマについて思ったことを発表します。

「ジョブズに見る美が与えた影響」、なんか大胆なタイトルですね。これはスティーブ・ジョブズの写真です。みなさんご存知ですね。ジョブズの功績ってなんなんだろうと考えたときに、ぼくはジョブズが「美」という概念をコンピュータ産業に導入したことが功績なんじゃないかと思うんですね。ジョブズの功績を辿ってみると、一番最初に彼がつくったコンピュータはこれです。

apple1Apple Ⅰ(1976年)

これ実物を見たことがある人は1人もいないんじゃないかな。ぼくもないです。Apple Ⅰってコンピュータです。1976年にウォズニアックとジョブズがつくった、正確に言うと、ジョブズがウォズニアックにつくらせたものです。見てわかりますけども、この基盤の部分だけがApple Ⅰなんです。手前にあるキーボードやモニタも違う。ケースに入っていない、基盤がむき出し。これがApple Ⅰです。次につくったのが1977年、Apple Ⅱですね。

apple2

Aplle Ⅱ(1977年)

なにが違うか。まず、ケースに入っている。キーボードがついている。ケースに入ったコンピュータはこれが初めてだったわけではありませんが、ジョブズはこのケースを極めて慎重に、できるだけ優雅に見えるようにデザインし、その箱の中に基盤を入れた。これがまずジョブズの功績なんですね。これは1977年です。

mac

Macintosh(1984年)

この次に、途中Lisaがありましたが、1984年にMacintoshがあった。これをたった7年でやっているんですよね。この途中にXerox  PARCやDynaBookの影響であったりGUIの導入などがあり、それが積もって7年後にこれが生まれる。でも、Apple Ⅱの7年後にMacintoshをつくったということは、もしXerox  PARCからパクったものだとしてもすごいとぼくは思うんです。

もう1つすごいなと思うのはこれです。

(動画再生)Apple 1984 Super Bowl Commercial Introducing Macintosh Computer
https://www.youtube.com/watch?v=2zfqw8nhUwA

江渡 :これ見たことある人? これは伝説的なCMですので、みなさん見たことがあると思うんですけど、1984年にMacintosh発売の発表をするときにアメリカ中の注目が一番集まるスーパーボウルで「新しいコンピュータが出るんだ」ということをCMで見せた。ある意味すごいと思うのは、コンピュータそのものをCMで見せることは前からあったかもしれないけれど、これはコンピュータの画面がまったく出てこないですよね。ここでは、”On January 24th, Apple Computer will introduce Macintosh. And you’ll see why 1984 won’t be like ‘1984’.”( 「1月24日、アップルはマッキントッシュを発表します。そして、1984年がなぜ『1984年』のようにならないかがわかります」 )

という概念しか伝えていないわけです。これをコンピュータを販売するCMで放送するということをやったわけですね。やっぱりすごいなと思います。

でも翌年の1985年にジョブズは追放されるんですね。その後、ネクスト社を設立するなどですが、興味深いのは1986年にピクサーを設立していることです。正確に言うと、ジョージ・ルーカスから買った会社をピクサーという名前にした、と。彼が人から変わったと言われるきっかけの一つは、ピクサーとのつながりではないかと思っています。ジョブズ自身は、映画づくりそのものにはそれほど関係はなかったと言うんですけど、ストーリーを組み立てて人に見せるのが仕事の会社とずっと二人三脚というか、非常に密接に関わってやってきていて、それが彼に与えた影響というのは大きかったと思います。

それで、紆余曲折あって1997年に復帰してつくったCMがこれです。

(動画再生)Apple Computer, Inc.のCM Think Different.
https://www.youtube.com/watch?v=W5GnNx9Uz-8

江渡 :これは “Think Different.” というキャンペーンのものですね。復帰して一番最初につくったCMですが、ある意味これは社会に向けてのアピールであるというよりも、社内に向けてのアピールであると思います。途中で「彼らは人間を前進させた」というセリフが出てくるんですけど、それはジョブズの指示で入れさせたらしいです。1997年に復帰してから10年後にiPhoneが出ます。途中、iMacとかiPodが出たりしますけど、それらを含めて考えたとしても1997年に復帰してから10年後にこれなんですよね。むちゃくちゃ早いと思うんです。Mac OS Xだったりとか、そういったものをやりつつ、裏でこれを進めていたと思うんです。これだけ新しい概念を、会社がボロボロだった1997年に復帰してから10年で体制を立て直しただけではなく、まったく新しい概念を生み出せるような基盤をつくり、ちゃんと成果を出しているというのが、とてつもないなと思います。

江渡 :ホール・アース・カタログ』*12の話をしたいと思います。まずはちょっとジョブズの有名なスタンフォード大学卒業式でのスピーチを聞いてみてください。

(動画再生)スタンフォード大学でのジョブズのスピーチ
https://www.youtube.com/watch?v=XQB3H6I8t_4

今日は、このスピーチでも触れられているホール・アース・カタログを持ってきました。これは1968年に創刊され、1974年に最終号が出たのですが、これがジョブズにいかに影響を与えたのかというのは、たぶん実物をお見せするのがいいかなと思っていて。

そして、iPhoneが2007年に出ました。スマートフォンっていうのはどこから誕生したんだろうということがよく議論に上がりますが、「ホール・アース・カタログを手のひらに乗せたかった」というのがぼくの理解ですね。

catalog1   Whole Earth Catalog Fall 1968 の表紙

先ほど、ジョブズはスピーチの中でペーパーバック版のGoogleというふうに言ってましたが、まさに紙でできたGoogleです。なので、「ホール・アース・カタログを手のひらに乗せる」というのが、彼のコンセプトだったんじゃないかなと思っています。このホール・アース・カタログがどういう意味を持っているのかというのが非常にむずかしくてですね。まず、ホール・アース・カタログを知っていた人? はい。読んだことあるという人? はい。ほとんどいないんですよね。実際、ほとんどの人は読んだことがないと思います。ぼくも実を言うとつい最近入手しました。中身は実に多岐にわたっていてですね。たとえば、フラー*13であるとかアレグザンダーであるとかそういった先鋭的な人が紹介されていたり、ヨガや、オーガニックフード、アウトドアグッズ、ブーツやテントなど、さまざまな領域のものがあります。そういうムーブメントの先駆けというか、非常に重要な部分を一番最初に網羅的に準備し、かつその影響下に未だ我々はある。だって、オーガニックフードとか食べていて、未だに流行の最先端じゃないですか。そういったものがここにずっとあり続けているのが、実にすごいなと思います。たとえば、フラーの紹介とか本の最初の方にあるんですね。

そして、もう1つはリード大学*14でカリグラフィを学んだことについて。先ほどのジョブズの講演を聞いたことがある人? ぼくは非常に感動したので、聞いたことがない人はぜひ聞いてほしいです。ジョブズがリード大学でカリグラフィの授業を取りました、という話があり、非常にエモーショナルに紹介しています。

つい最近、ぼくはリード大学に行ってきて、授業で話す機会やいろいろなものを見て感慨にふけってきました。非常に美しいキャンパスではあります。行ってはじめて知ったのですが、意外なことにすでにカリグラフィの授業は正規な科目としてはもう扱われていなかったんですね。授業としては1985年くらいになくなっていましたが、いまでも非正規の授業、コースとしては残っています。それで、このリード大学のアートギャラリー(DOUGLAS F. COOLEY MEMORIAL ART GALLERY)のグレゴリー・マクノートンさんに話を聞いたところ、確かにいまでも構内のあちこちにカリグラフィが残っていたりしました。彼に話を聞いてようやくいろいろ理解したんですが、ロイド・レイノルズという教授がいて、その教授がリード大学に赴任したときにカリグラフィの授業をつくったんですね。彼は英文学の教授だったんですが、それにもかかわらず、芸術コースの方に口を出して「書道の授業をつくるべきだ、カリグラフィの授業をつくるべきだ」と。それ以外にもつくったものがあって、セラミックとフラワーアレンジメントの授業をつくったんですね。日本語に訳すと陶芸と生花ですよね。それを正規の単位が出る授業としてつくるべきだと主張した。おもしろかったのが、彼の授業はカリグラフィとかだったんだけど、その授業には世界的な政治の話であったり文学であったりとか話題が飛びながらも、カリグラフィをやるという授業で。で、なぜそのような授業を行ったのかというのは「生活そのものに美が溢れているべきだ」という彼の思想があって、それを授業としてつくったという説明がありました。たとえば、Adobeのフォント部門のディレクタもリード大学の卒業生なんですね。という形でこのときのレイノルズの遺伝子が形を変えてIT産業に残っていて。Macのフォントであったりとか、という流れがあるんだなということを感じ取りました。

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*12 ホール・アース・カタログ (1968年-1974年)アメリカの編集者、スチュアート・ブランドによって創刊された。同時代のヒッピー思想を背景に全米で150万部のベストセラーとなり、日本の雑誌にも影響を与えた。スティーブ・ジョブスの愛読書としても知られ、スタンフォード大学卒業式でのスピーチでは最終号に掲載されたキャッチコピー「Stay hungry. Stay foolish.」を引用している。

*13 バックミンスター・フラー(Richard Buckminster Fuller 1895年 – 1983年)アメリカの建築家、思想家。「宇宙船地球号」という概念を提唱し、持続可能な世界の実現のための方法を生涯に渡って探究した。スチュアート・ブランドはフラーに多大な影響を受けたといわれ、『ホール・アース・カタログ』創刊号はフラーの紹介からはじまる。

*14 リード大学 ポートランドにある私立大学。スティーブ・ジョブスは入学から半年で中退した。その後、非正規の学生として講義にもぐりこみ、カリグラフィーなどを受講した。当時、リード大学のカリグラフィは世界トップレベルの水準だったと言われている。

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IT産業がアートに学ぶべきこと

最後に紹介したいのが、私が最近行った「<アートの考え方>ワークショップというものです。

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(動画再生)<アートの考え方>ワークショップ
https://www.youtube.com/watch?v=5i7_Sg4LrA0

江渡 :これはなにかと言うと、いままでお話した内容自体は、このワークショップのときに話したことを参照しているんです。このときはハイパーネットワーク社会研究所というITの研究所から依頼されて、ワークショップを企画しました。その趣旨はなにかというと、IT産業に関わっているとされる人たちもぜひアートの考え方を学ぶべきだ、というワークショップです。

その趣旨として、いかに美というものがIT産業に影響を与えたのかということをまとめました。ここで行ったワークショップは、2日間のワークショップなんですが、1日目の晩にレクチャーを行い、そこで宿題を出して、課題をつくってきてもらう。それを2日目の朝に公表し、その場で次の課題を出す。たとえば、ものづくりや絵を描くって言っても、こういうふうに描くくらいなんですね(腕先を動かして絵を描く様子)。でも、大きい紙を使うと体全体を使わなければいけないんです。そうすると、まったく違う絵になるし、描ける絵も違うし、受ける印象も違います。そして、描いたものを持って街に出て、それを街中の色々なところに貼って写真を撮る。そのとき、写真自体も作品として撮るということをやってきてもらう。その次に、さまざまな4つの課題から1つを選んでもらうんですが、たとえば、10分間の映画をつくるとか「光の反射」をテーマとして一連の作品をつくるとかさまざまなテーマを元に作品をつくってもらう。そうすると、全くアート作品とか作品づくりをしたことがない人も10分間の映画づくりってことをちゃんとできるんです。そしてそれなりにおもしろい作品を目の前で発表してもらいました。

ここで伝えたかったのは、作品づくりというのは創造性を発揮することです。創造性を発揮して自分なりに表現を行い、それはアーティストだけが行うものではない、だれもができることであり、それをやることによって新しい可能性を見ることができる、というのがこのテーマなんです。最近の言葉でいうと、「クリエイティブ・マインドセット」に近いかなと思っていて。強制的に絵を描かせる。それをほかの人に見てもらい、講評をして、コメントを聞く。そして、さまざまな人が書いているのを見て、これはいい、これは悪いというのを見て、感じ取ってそこからなにかを導き出す。そのサイクルを回すことによって、自分なりの表現が見えてくるし、創造性の種といいますか。それこそがいま、求められているもの、IT産業で新しい発想のなにかをつくるときに、できなくてはいけないもの、やるべきことだと思うんです。ということで発表を終わりにします。ありがとうございました。

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【関連リンク】
・World IA Day 2015 Japan 公式サイトはこちら
・World IA Day 2015 Japan の動画はこちら

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