EVENT REPORT

食に向き合うーー「今日のごはんがつくるもの」レポート1/2

【ゲスト】MIHO

【聞き手】千々和淳

EVENT REPORT

食に向き合うーー「今日のごはんがつくるもの」レポート1/2

【ゲスト】MIHO

【聞き手】千々和淳

「いま食べているものが、10年後のあなたのカラダをつくる」をコンセプトにしたフードマガジン『saji』を創刊し、日本とパリとでさまざまなフーディングなどを行うフォトグラファーMIHOさんをお招きし、いまの私たちを取り巻く環境と未来の自分を「食」という視点で考えるイベントを開催しました。
当日は、MIHOさんとコラボレーションすることも多い、代々木上原の按田餃子さんのお料理を味わいながら、今一度自分の「食」を振り返る場となりました。前半では、主に『saji』や食のイベントを通してMIHOさんが感じ、伝えたいことについてうかがいました。

OVERVIEW

2016.02.05(金)

ゲスト:
MIHO(フォトグラファー)
聞き手:
千々和淳(amuコンテンツディレクター)

INDEX

  1. 食を見直すきっかけになった自分の病気
  2. 食べ物を変えてから、生きやすくなった
  3. 料理をすることにシンプルに向き合う
  4. 食べることに対して手を抜かない
  5. 場所を問わず広がっていく美味しさ
  6. 芸術表現としての「食」
  7. 視覚や脳で作られる「食」と味覚だけで感じる「食」

食を見直すきっかけになった自分の病気

千々和:MIHOさんは『saji』という食の雑誌をつくられていますが、本業はフォトグラファーとして活動されていますよね。普段のお仕事ではどんな写真を主に撮影されるのでしょうか?

MIHO:カメラマンというと風景を撮っていると思われがちなんですけど、私は雑誌や広告用のお料理の写真を撮っています。

千々和:お料理の写真だと、料理雑誌?

MIHO:料理雑誌というよりは、ファッション誌の中に入っているお料理のページだったり、最近多いのは県の自治体などが発行している冊子や、料理をフューチャーした媒体、それからイベントの写真を頼まれることもあります。

千々和:フォトグラファーとしては、いつから活動されているのですか? 

MIHO:アシスタントになったのは、18、19歳の頃ですね。その後、24歳で独立してから16年が経ちます。

千々和:けっこう長いキャリアをお持ちなのですね。

MIHO:振り返ってみると長いですね。

千々和:『saji』の創刊はいつ頃ですか?

MIHO:2004年の3月です。フォトグラファーとして独立してから4年ほど経った頃ですね。

千々和:『saji』のコンセプトって、シンプルに食かと思えば料理雑誌然とした側面もあって、かなり変わっているなぁと感じたのですが、ジャンルでいうと何になるんでしょうか?

MIHO:本屋さんにも「どこに置いていいかわかりません」ってよく言われます(笑)。私はみなさんが決めてくださればいいと思ってるんですけどね。料理本でも、アート本でも。

千々和:日本では置いているところがすごく少ないですが、たとえば代官山の蔦屋書店さんではどのカテゴリーに置いてあるんですか?

MIHO:洋書の料理棚にあります。

千々和:なるほど。『saji』は現時点で5号まで発行されてるんでしたっけ?

MIHO:5号に加え、おにぎりの号が1冊と和菓子の号が2冊あるので、計8号ですね。

千々和:すでにいろいろなところでお話しされているとは思うのですが、『saji』をつくられたきっかけをあらためて聞かせてください。

MIHO:簡単にいうと、自分が体を壊したのと、それをきっかけに得た「食」に対する正しい知識やあり方を伝えたいっていう思いではじめました。

千々和:もし差し支えなければ、具体的に教えていただきたいです。

MIHO:実は子宮の病気を経験していて、その治療が本当に辛かったんです。そんな時に食生活を振り返ってみたら、普段から好きなものばかり食べて、あまり栄養やバランスといった基本的なことを全く気にかけていなかった。そこまで食べ物が大事だってことに気づいていなかったんです。私はイラストを描くのも好きだし、スケーター文化やファッションにも興味があったから、そこに時間もお金も費やしてきた。だから、ご飯を食べることなんて二の次で、洋服を選んだり、ポスターを買ったり。当時の私にとってご飯とはなんだったのかっていうと、ただお腹を満たすためのものというだけで、適当の限りでした。こんなに多趣味で、その中で何を節約するかと言ったら、ご飯という選択肢しかなくて。ちゃんとつくってたんですけど、お米とお肉だけ食べて野菜は食べないとか。でも、病気を経て「こんなことになるくらいなら、ちゃんとしたもの食べて体を整えていかなくちゃ」という気持ちが芽生えて。実は「食」ってだれからも教わらないことなのかもっていう。お母さんから「野菜もちゃんと食べなさい」とは言われるけど、好きなものばかり食べていると病気になる可能性があるとか、具体的なことはだれにも教わらないまま育っていく。すごく自分勝手ではあるんですけど、教えてくれたらきちんとバランスよく食べたのにと思っちゃって。単純に、自分みたいにつらい思いをする人がこれ以上増えてほしくないっていうのもありますけど。

そんな経緯もあって、このイラストたちがこうしてかつての私みたいな人に、ご飯の大切さを伝えられたらな、と。

食べ物を変えてから、生きやすくなった

千々和:そういう経緯だったのですね。では、実際に『saji』での取り組みを見てみましょう、ということでこれが『saji』のサイトです。

imgpsh_fullsize http://www.saji-web.com/

MIHO:このイラストは水野健一郎さんが描いてくださって。

千々和:味がありますね。そして、こちらが(イベント時の)最新・第5号の表紙です。

『saji』vol.5 『saji vol.5』

千々和:amuのサイトでも雑誌の写真を掲載していたので、見た方も多いと思うのですが、あまり料理雑誌っぽくないですよね。写真の雰囲気もすごく個性的というか、ファッション寄りの表現にも似たイメージがあると思っています。色もそうだし、コントラストや、料理から湯気が出ていないところとか(笑)。話を少し戻してお聞きしますが、実際にご自身が経験されたことがきっかけで食生活を変えた後、変化を実感できましたか?

MIHO:だいぶ変わりましたね。当時は、ファーストフードを食べるというよりは、食が偏っていたんです。でも、食べ物を変えてからは、イライラしなくなったり、本当に生きやすくなったなぁと。もともとイライラしない方ではありますけど(笑)、さらに平和な感じになりました。

千々和:以前の「食が偏っていた」というのは、お肉とか?

MIHO:ソーセージやベーコンのような加工品が多かったですね。味も濃いし、簡単に調理できるじゃないですか。そういった加工品や味が濃いものをやめて、素材に塩コショウで軽く味付けして、よく噛んで、野菜もバランスよく食べるようになりました。お肉を食べる時は、同じ量の野菜を同時に食べないとダメだって言われて。

千々和:それってけっこうな量ですよね。

MIHO:根菜を足したり、工夫しますよ。カレーライスとかでも自然に野菜を多く摂れる状態にする。これは働いているお母さんに向けた、watoさん(http://blog.watokitchen.com/)のレシピです。一つの料理を変身させていけば、料理もそんなに大変なことじゃないっていうことに気づいたんですよ。かぼちゃの煮つけがかぼちゃのスープになって、最後はかぼちゃのドリアになるレシピとか。

imgpsh_fullsize

MIHO:そういう野菜ベースでありながらも手間暇をかけすぎないレシピを提案したり……自分の経験を元にしつつ書いています。

料理をすることにシンプルに向き合う

千々和:『saji』は基本的に料理の写真とレシピを並べた構成ですよね。

MIHO:だいたいそうですね。レシピがついてないこともたまにあったりするんですけど。

千々和:自分でつくってもらうことが目的ですもんね。MIHOさん自身、『saji』をつくるようになってからより一層料理するようになったのでは?

MIHO:料理は『saji』をつくる前からしていましたけど、「焼肉のタレとか加工肉を使わなくても「こんなにおいしいものができるんだ」って。しかも、どのレシピも簡単です。

千々和:私はあまり料理が得意でないので、たまにやってみても全然ピンとこないんですよね。時間をかけてつくって、こんなに大変なのかっていう徒労感を感じながら食べる(笑)。

MIHO:凝ったものをつくっているんじゃないですか? 男性ってよくあるじゃないですか。ものすごい細い白髪葱をつくるところからからはじまる、みたいな(笑)。

千々和:確かに効率とかあんまり考えていないかもしれない(笑)。

MIHO:一種の脳の体操だと思うんですよ。最初にスーパーで買い物するところからストーリーを組み立てていくというか。「この野菜美味しそう」って思ったものをメインにして、サイドにあれを持ってきて……って考えないと、必要ないものを買っちゃうから。マルシェに行った時も、野菜と会話して「あ、これにしよ」って決めたら、その時点で(頭の中で)献立を一回つくってみる。そこからスタートするからつくるのも早い。なんとなくで野菜を買っていませんか? そうすると、手順がイメージできていないからすごく時間がかかる。1つやっている間に1つ忘れた、みたいな。

千々和:なるほどね。だけど、MIHOさんのお話を伺って、ちょっと自分でもやってみようと思いました。実はこのイベントの打ち合わせの時からMIHOさんのお話を伺うたびに料理欲が湧いてきて、こっそり自炊をしてたんですよ。それを翌日、別のスタッフに打ち明けたらそのスタッフも自炊したって。やっぱりMIHOさんの言葉に詰まった思いが刺さるというか。『saji』の読者の方にはもっともっと深く届いているはずですね。

MIHO:一度に全部変えるのは無理ですが、毎日使っていた冷凍食品のおかずを1品だけ野菜のおかずに変えてみるとか、今までの食生活をちょっと変える程度でいいんじゃないかな。少しでも食に対する見方が変わってくれればいいなと思っています。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

食べることに対して手を抜かない

千々和:まさに『saji』のコンセプトが「いま食べているものが10年後の体をつくる」で、さっきお話されたようなシンプルな食の提案があるわけですけど、実際に読者の方や周囲の方からの反響ってありましたか? 

MIHO:知らない方からは一度もないです(笑)。

千々和:それ、問い合わせ先がわからないだけなのでは……(笑)。

MIHO:知人に「新しい号が出たんです」って言うと、不思議なことに男性の方から「買いました」とか「つくりました」って言われることが多いですね。

千々和:へぇー、なんででしょうね。フランス人の男性とか?

MIHO:フランスではシェフが買ってくれることが多いですね。「フランス人のシェフがおもしろいって言って買っていくよ」って本屋さんに言われました。

千々和:料理が変わっているとかではないですよね。

MIHO:日本の、至って普通の家庭料理です。

千々和:フランスでは食に対する意識というのはどうなんですか? 今、日本でも食に関する雑誌やWebサイト、そしてこういうイベントだったり、食を知る機会がすごく増えていますが、フランスでもそういったムーブメントはあるのかなって。

MIHO:フランスはもともと意識が高くて、子どもの頃から食育を受けるんです。小学校では「味覚の一週間」という、甘い・すっぱい・苦いっていう感覚をシェフが教える授業が10月に行われます。日本はものすごく雑誌の種類が多いですけど、フランスはそんなにないです。

千々和:幼い頃から教育を受けているだけあって、あえて大人になってから学ぶ必要もないんでしょうね。

MIHO:あと、日本みたいにコンビニエンスストアがないんですよ。

千々和:そうなんだ。

MIHO:日本人はとことん便利を追求するので、ほとんどのことは手軽に済ますことができますよね。焼肉のタレはまさにそうで、手軽にパパッと美味しいものがつくれる。でも、フランスはそういうのがないんですよ。ドレッシングは売っているけど、買っている人は見たことがないし、サラダはだいたいオリーブオイルと塩こしょうでシンプルに味付けするのが家庭の定番。ゴマドレッシングとか手の込んだようなものはないですね。

千々和:確かに、日本って調味料すごく多いですよね。

MIHO:本当に。時短のための便利なアイテムがいろいろあってすごいなと思う。たとえば、麺つゆは醤油があればつくれるのに、ちゃんと「麺つゆ」という商品で売っているし、小麦粉があればつくれるパンケーキも、牛乳を入れたらすぐにできる「パンケーキミックス」として売っていますよね。

千々和:本来手をかけてつくる調味料も、日本の家庭では当然のように商品で常備してありますもんね。ない家の方ががちょっと珍しいくらい。

MIHO:そうですね。

場所を問わず広がっていく美味しさ

千々和:『saji』以外の活動はどんな感じですか? 最近ではお雑煮のイベントもされていましたよね。

MIHO:その時は20種類のお雑煮を集めたイベントでした。

_DSC2067

MIHO:あと、今回(当イベント)ケータリングで来てくれている按田餃子さんの餃子を出したイベントもありましたね。これはフランスのファッションウィークが行われる期間に合わせて宣伝のためにやらせてもらったんです。人を集めるためにコレットを使って、餃子を振る舞いました。

千々和:コレットで餃子を?

MIHO:そうです。コレットでは23日から27日まで、翌週から10日間は別のレストラン借りて。按田さんには日本からパリまで来ていただきました。

colette

千々和:餃子つくりにパリまで! みなさんの反応はどうでしたか?

MIHO:もうそれはすごかったですよ。おいしいおいしいって。足を運んでくださった方々が情報誌で宣伝してくれていたようで、私たちがWebでPRした以上に反響がすごくて。按田さんの餃子のおいしさがワールドワイドに伝わりましたね。

千々和:餃子ってフランスではそんなに馴染みがない食べ物という気もしますが……。

MIHO:最近、パリに餃子バーっていうのが増えてきてるんですよ。ただ、餃子バーで提供される餃子はすでに柚子胡椒が餃子の中に入っていて。本当の餃子を食べ慣れている人は「ん?」って思う。だから、按田さんに「本当の餃子を食べたいです」ってお願いしたら、食されたみなさんが「餃子バーの餃子よりおいしい」って言ってくださって、うれしかったです。

千々和:すごいですね。按田さんもパリでお店ができそうな勢いですね。

MIHO:構想をたてましょう(笑)。

千々和:そうですね。

MIHO:そして、これが人気だった餃子です。

page6

按田:ピンクの餃子には、セロリと鶏肉が入ってます。

「按田餃子」の按田優子さん

MIHO:こちらがメインビジュアルで、今回は林田岬優さんに出てもらいました。

popup_102

千々和:すごい組み合わせ! ちなみにこっちはなんですか?

MIHO:デザートのレーズンサンドですね。

千々和:餃子とレーズンサンドの組み合わせもなかなか見ないですね。

芸術表現としての「食」

MIHO:これはまた別のイベントのビジュアルですね。

_DSC0530_

_DSC0452_

千々和:伊勢丹さんの顧客パーティーの「丹青会」ですが、このオブジェとかも全部MIHOさんが手がけられたのですか?

MIHO:これはいつもの仕事とは違うイレギュラーな方法でした。パーティーのコンセプトが「冬から春へ」というまさに季節が移ろう時期にまさにぴったりのテーマで、会場と同様、お料理もそのイメージでオーダーをいただいたんです。ちょうどニューオータニさんがリニューアルをされたばかりだったので、庭園もぜひ、と会場の真ん中に日本庭園も作りました。

千々和:これ、すごいですね。

MIHO:とにかく、エントランスをくぐった途端に別世界に連れてこられたような、非日常をイメージして作ったんです。

千々和:世界観づくりをMIHOさんが担当されたのですか?

MIHO:そうですね。装飾のデザイナーさんにイメージを伝えて、そこからデザインをいれて装飾してもらいました。

千々和:もはやアートディレクションの域ですね。

MIHO:お料理もおもしろいんですよ。ものすごく大きいお皿にちらし寿司が乗っていたり、これは不思議な空間に迷いこんでしまった風にしてほしいとオーダーしたら、氷の中にカニが入っていて、そこからカニが食べられるっていう奇想天外なものができ上がりました。

_DSC0323_

千々和:なんか外国の映画に出てくる日本の料理屋みたいな感じですね。

MIHO:こちらはオリジナルのケーキです。
_DSC0359_2_

千々和:さっき話していた庭園ですね。

MIHO:食べられるんですよ(笑)。

千々和:庭園が食べられるなんてすごい。これはなんのケーキだったんですか?

MIHO:抹茶だったかな。私は運営側なので食べられず、見るだけなのでわかりません(笑)。お花も飾りました。食用ではなく本物のお花ですが、冬から春にかけて移ろう感じでデザインしていきました。

これはまた別で、2013年の作品なのですが、伊勢丹の「クール&クール!スイーツコレクション」っていう夏のスイーツのイベントがあって、そこの見せ場の部分でなにかやってもらえませんかとオーダーいただいて製作したものですね。

_MG_7660

7月で七夕があるので、デザイン案を頭に思い浮かべつつ、星のケーキが食べられたらいいなぁ、惑星のケーキが食べたいなぁと。そうしてできたものがこれらなんですけど、惑星それぞれに特性があって、水星はすごく硬いので、それを硬めにつくったチョコレートで表現したり、木星は大きさの割には気体でできていて水より軽いので、それをふわっふわのムースでつくったり。地球も、割るとマントルを模したゼリーが出てきたりとか。お客さんは1時間か2時間だけ食べられます。

千々和:時間限定で。なんかもったいないっていうか、芸術品を食べてしまうということに背徳感がありますよね。

MIHO:でも美味しかった(笑)。そして、もう一つの見せ場が「未来」。未来植物シリーズという、未来にこんな植物があったらいいなというイメージをスイーツで表現してみました。こっちは見た目も楽しいシュークリームで、『saji』の2.0の中にレシピが載っているので見てみてください。

千々和:みなさんチャレンジしてみてください。

MIHO:ちょっとむずかしいですけど(笑)。こっち(クッキーのほう)は簡単だけど、シュークリームは加工がむずかしいですね。シュークリームはふくらまないときがあるので。

imgpsh_fullsize-1

千々和:あー。でも、かわいらしくできそうですよね。

MIHO:こちらはジャパンイートグッドというフランスでやったイベントなんですけど、農林水産省と在仏日本大使館が日本料理を広めるというので、こういった料理のフーディングをやらせていただいて。野菜畑を味噌で表現したりしました。これも上新粉でつくったお団子です。

578117_567062593305208_1942913467_n

千々和:これも食べられますよね。

MIHO:あっという間になくなりますよ。

視覚や脳で作られる「食」と味覚だけで感じる「食」

MIHO:こちらは『日本の食卓』っていうけっこう前のものなんですけど。会場にはおにぎりがあちらこちらに置いてあって、笙を聞きながら食べます。

千々和:笙を聞きながらここで食べるんですか?

MIHO:そうです。全部手づくりの器で、素朴で昔からあるようなものなんですけど。これはまた別のイベントの「真っ暗ごはん」です。

makkuragohan_1

千々和:いままでは目で見て食べるみたいな感じでしたが、「真っ暗ごはん」は体験型ですね。

MIHO:ごはんとお菓子があります。真っ暗ごはんと真っ暗おかし。

千々和:動画を見てみましょうか。

(動画再生)https://www.youtube.com/watch?v=TDwlQZMcYys

千々和:「真っ暗ごはん」って暗闇の中でごはんを食べるので、もちろん何を食べているか知らないんですよね。これ想像するとすごく不安だなー。

MIHO:最後、解答用紙が渡されて、5味5種5方を解答用紙に書くんですよね。

千々和:なるほどね。

MIHO:これが、答え合わせしたものです。

makkuragohan_2

千々和:真っ暗なのに、色なんてよくわかりますね。

MIHO:野菜の味から、その色を導き出すんです。不思議なことに、子どもはわかりますね。子どもは本当にすごい。カブが嫌いな子がいて、「これきらーい」とか言うんですよ。

千々和:へぇー、わかるんだ。真っ暗ごはんのコンセプトはなんですか?

MIHO:体感したらコンセプトが理解できる感じのイベントなので、決まった言葉では収まりきらないですね。まず、真っ暗闇だから隣にだれが座っているかもわからないという中で、なにかに触れた時の感覚を得るところからスタートします。触れるものの形状は先に言われます。たとえば、丸いものが手前にあるので手で食べてくださいとか、スプーンを使ってくださいとか。そうして、食べることは食べられるのですが、そこには視覚の情報が一切ないわけです。だから、暗闇の中で頭を働かせて想像するしかない。食べ終わった後に正解を教えてもらって改めて食べ直したりすると、嫌いだったものも食べられるようになってるんです。日頃、どれだけ脳と視覚で食べているかがわかりますよ。わかりやすい例があって、ゴーヤの中にハチミツを入れたことがあったんですね。暗闇の中だとみんな「あまーい」と言って食べるんですけど、それがゴーヤだと知ると「苦い」と言い出す。本当にすごい感覚だと思います。

千々和:なるほど。確かにさっきおっしゃっていたように、大人のほうがその感覚は強そうですよね。

MIHO:そうですね。家の中を暗くするのは簡単なのでぜひみなさんもご家庭でお楽しみいただければ。

(2016年2月5日@amu)

レポート後半はこちらです。

<関連する記事>

・【インタビュー】個で終わらない食

amu

未来を編む

「ライフ 」 関連の記事を
もっと読む