EVENT REPORT

かみとて ―紙で想いが届くのか?―
第1回 紙を知る

【ゲスト】中村陽子、竹尾有一

【聞き手】川崎紀弘

EVENT REPORT

かみとて ―紙で想いが届くのか?―
第1回 紙を知る

【ゲスト】中村陽子、竹尾有一

【聞き手】川崎紀弘

紙について参加者と一緒に考える、新しいイベントシリーズ「かみとて ―紙で想いが届くのか?―」を開催しました。第1回のテーマは「紙を知る」。amu研究員である川崎紀弘が聞き手を務め、ゲストに江戸時代から続く老舗の和紙問屋、榛原(はいばら)本店の中村陽子さんと、デザイナーに絶大な支持を誇る紙の専門商社、竹尾(たけお)の常務取締役である竹尾有一さんをお招きしました。

OVERVIEW

2013.10.03(木)

ゲスト:
中村陽子(株式会社榛原 本店)、竹尾有一(株式会社竹尾 常務取締役)
聞き手:
川崎紀弘(amu)

kamitote01タイトルの「かみとて」は漢字にすると「紙と手」になります。一昔前に比べるとぐっと減ってきた「紙と手」によるコミュニケーションは、時に伝えたい情報以上に感情や気持ちを込めることができるということを、私たちは知っています。より想いを伝えるために、さまざまな選択肢の中からその場に最適な手段を選ぶこともamuが考える「編集デザイン」です。そこで、トークとワークショップを通して、参加者と一緒に「紙で想いが届くのか?」を探っていくことにしました。 kamitote02

まずはゲストの2社に、それぞれの自社紹介を兼ねて、これまでの歩みや、和紙、洋紙ができるまでについて説明していただきました。両社に共通していたのは「クリエイターと共に歩むものづくり」の姿勢。榛原は、明治期に活躍した絵師の竹久夢二や小早川清などとコラボレーションした絵はがきやうちわといった商品を多く残しています。竹尾も、戦後にデザイナーの原弘と一緒に紙の見本帳を作ったり、1965年から今も続く紙の見本展「PAPER SHOW」を開催したりと、積極的にクリエイターと関わってきました。

クリエイターにとって紙とはどんな存在なのか、紙のどこにひかれるのかについて、以下の意見が出ました。

・「クリエイターと紙には共犯関係がある。私たちは”紙農家”であるという意識でやっていて、クリエイターは”シェフ”。いい料理をつくってもらえるよう、いい素材を提供するのが私たちの使命」(竹尾)
・「透かしたときの繊維の雰囲気、光を吸収して発光する微妙な差に、心ひかれるのでは」(榛原)
・「紙を使うと思っていないことがおきたり、紙が教えてくれることがたくさんある。私たちはそこに創造力をかきたてられる」(デザイナー、イベント参加者)

名刺づくりのワークショップがはじまると、参加者の目が一気に輝きました。両社に提供していただいた色や質感の異なる30種類の和紙と洋紙、筆や蛍光ペンなど多様な筆記用具の中から、最も自分らしいものを選んで、デザインや書体に趣向を凝らしたオリジナルの名刺をつくりました。 0876___3tu

最後に、現代人の和紙との関わり方について、中村さんはこう語りました。「紙の使用頻度や量は減ってきたけれど、紙は”真心”や”清潔さ”の象徴であるということが日本人の記憶に刷り込まれているので、ここぞというハレの日には、今でも多くの方に和紙を使っていただいています。」
こういった選択ができることこそが、人間らしい高度な「編集デザイン」ではないでしょうか。

amu

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